筆者の話です。
高校の吹奏楽部の記念演奏会で、思いがけない光景を目にしました。
無口な父が見せた行動の意味を、あとから知ることになります。

父の行動

演奏会のあと、お礼を伝えに行って初めて、あの客席の意味を知りました。

「ずっと遅くまで練習してたから、行ってやってくれん?」
親戚は、父が声をかけて集めてくれていたこと、さらに交通費や食事代まで父が出していたことを教えてくれたのです。

舞台で渡された花束も、父が用意してくれていたものでした。
「自分で渡すのは恥ずかしい」と言い、親戚に頼んでいたそうです。

静かな余韻

父は特別なことは何も言わず「じゃあ先に帰るな」と言い、手を上げて帰っていきました。
ぶっきらぼうなその背中を見送りながら、私は父の深い愛情に触れた気がしました。
多くを語らない父ですが、あとから知った行動を思い返すと、そのひとつひとつに、父の気持ちが表れていると感じたのです。

あのときの客席の光景や、さりげなく渡された花束を思い出すたび、父なりの応援の形がそこにあったのだと気づきました。
言葉にしない父なりのやり方で、こうして支えてくれていたのだと知り、胸の奥にあたたかいものが残ります。
父の行動を思い出すたび、胸がじんとするのです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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