昔ながらの頑固親父だった筆者の父。里帰り出産をきっかけに、初めて赤ちゃんの世話を間近で見ることになりました。哺乳瓶や紙おむつに驚く父が、ふと母に投げた一言。母の返答に父は思わず沈黙します。ちょっと笑えて、時代の変化も感じた出来事です。

母の一言で父が沈黙

すると母が、間髪入れずに言いました。
「あなたはやってません! 私が1人でやりましたから」
と、ピシャリ。

父は一瞬ぽかんとした顔をして、そのあと静かになりました。
反論の余地もないほど図星だったようで、何も言い返せなかったのです。

知らなかった、では済まされないけれど

もしかすると父は、本当に知らなかっただけなのかもしれません。
父の若い頃は、男は外で働き、家事や育児は女がするもの。
そんな空気が当たり前だった時代でした。
けれど、その「当たり前」の裏で、母がどれほどの孤独と忙しさを抱えていたか。最新の育児グッズに驚く父の姿を見て、私は改めて母への感謝が込み上げました。
関わるきっかけがなければ、育児の大変さも、細かい作業も、実感する機会はなかったのだと思います。

父はしばらく赤ちゃんを見つめたあと、ぽつりと言いました。
「お前は立派な男になって、家事も育児もしっかりやるんだぞ」

赤ちゃんに向かって言っていましたが、もしかすると、それは長年苦労をかけた母に向けた、父なりの謝罪と決意の言葉でもあったのかもしれません。

【体験者:50代・筆者 回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。

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