仲居として長年働く知人。彼女から聞いた「ちょっと困るお客さん」の話に、自分の振る舞いについても考えさせられました。そのお話を紹介します。

食べ進めないお客様

それが、お話が大変盛り上がり、なかなかお箸が進まない場面に遭遇したときです。
もちろんお連れ様との大切な語らいも旅の醍醐味。私たちもその時間を存分に楽しんでいただきたいと願っています。

ただ、仲居として少しだけ「もったいないな」と感じてしまうことがあります。
お膳の上はスペースが限られているため、次のお料理が運ばれてきても、お出しする場所がなくなってしまうことがあるのです。

何より切ないのは、板前が火加減やタイミングにこだわり抜いた「出来たて」の料理が、そのまま冷めていってしまうこと。
「今この瞬間が、一番美味しいのに……!」と、心の中で応援するような気持ちで見守ることも少なくありません。

適度に食べてほしい

大前提として、お客様にはご自身のペースで心ゆくまで食事を楽しんでいただきたいと考えています。

ただ、もし仲居や板前の「一番美味しい状態で届けたい」という小さなこだわりを、心の片隅に留めていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。

もしお話に集中されたいときは、仲居にそっと状況を教えていただければ、可能な限りお出しするタイミングを相談させていただくこともできます。お料理の構成や当日の状況により、調整が難しい場合もありますが、お客様の大切な時間を台無しにしないよう、裏側で板前と連携を取りながら最善を尽くしたい、というのが私たちの本音です。

お料理と会話、その両方を最高の状態で楽しんでいただく。
それが、私たち仲居が最も幸せに感じることなのです。

【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。

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