筆者の話です。4歳年上の優しい従兄は、一緒にお風呂に入り、手作りクッキーをご馳走してくれる憧れの存在でした。しかし祖母の急逝を機に突然転校し、音信不通に。数十年後、祖父の葬儀で再会した従兄が語った真実とは。家族の確執が一人の少年の人生を変えた切ない物語です。
画像: 「大人の事情」で消えた憧れの従兄が、暴走族になった理由は──数十年後の再会で知った『繊細な心の叫び』

憧れの従兄

私には、4つ年上の憧れの従兄がいました。

彼は、やんちゃで同級生の男子たちといたずらをしたり、非常に活発な少年でした。

でも、一番年下の私がいると、遊びのルールを私でもできるように簡単なものにしてくれる、優しいお兄ちゃんでした。

従兄は、我が家にもよく遊びに来ていました。

私たち姉妹と一緒にお風呂に入ったり、一緒の布団で寝たりして、まるで本当の兄弟のように過ごしていました。

そして、従兄は手軽にできるお菓子を作って、ご馳走してくれました。

「ほら、クッキー焼けたよ。食べてみて」

従兄が作ったクッキーは、少し焦げていましたが、とても美味しかったです。

「また作ってね!」

私がそう言うと、従兄はニコニコしながら頷いてくれました。

私にとって従兄と過ごす時間は、とても幸せでした。

身近なところに憧れの人がいる幸せな時間を、私は当たり前のように過ごしていました。

突然の別れ

しかし、その時間も父方の祖母の急逝で突然終わりを迎えました。

従兄の家族は、父方の祖父母と同居していましたが、祖父とはうまくいかなかったようでした。

祖母が生きている間は、何とか関係を保っていましたが、祖母が亡くなった後に状況は一変しました。

従兄の家族は、市内の別の地区に引っ越してしまいました。

そして、従兄も中学生になり、めったに会う機会がなくなってしまいました。

まだ小学校低学年だった私にとって、従兄と会えなくなるのは、とても悲しかったです。

私は、母に聞きました。

「どうして、急に転校しちゃったの?」

「それはね、大人の事情があるのよ」

母は、濁した答えしかしてくれませんでした。

その後、従兄について、いくつかの噂を聞きました。

中学校では、転校生ということでいじめられたらしい。

高校は、当時不良少年と言われる学生が多く通う学校に進学したらしい。

「あんなに優しかった従兄が……?」

私は、信じられませんでしたが会う機会もなく、真実を確かめることもできませんでした。

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