ママ世代が小中学生の頃と比べて、不登校の認識は大きく変わりました。今は、不登校は誰にでも起こり得ることであり、決して特別なことではなくなっています。とはいえ、親は我が子が学校に行けなくなれば心配ですし、将来についても心配するものです。今回は、筆者の知人・A子とその娘・B子が不登校時代を乗り越えて実感した、親子の絆が感じられるエピソードを紹介します。

そんな夏休みのある日。B子がポツリと、重い口を開きました。

「お母さん……あのね、中学校のとき、いじめられてたんだ」
衝撃を受けるA子に、B子は言葉を続けます。
「心配かけたくなかったから言えなかった。それに、いじめられる自分がなんだか恥ずかしくて……。でも今はね、高校で友達もできて、すごく楽しいよ」

毎日のお弁当に隠されていた、娘の「罪悪感」

B子の告白は、学校のことだけではありませんでした。

「私が給食を食べないから、お母さん、毎日お弁当作ってくれてたでしょ。家族が仕事や学校に行ってる間、自分だけ家にいて、ご飯まで用意してもらってるのが……すごく申し訳なかったんだ」

表面上はそっけなく接していても、B子の心は「申し訳なさ」という重荷でいっぱいだったのです。

A子は、時おり感情的になりつつも、無理やり学校へ連れて行かなかったことが、実は娘にとって一番の救いだったことを知りました。

「いじめられることは、少しも恥ずかしいことじゃないよ。でもね、それは命に関わることもある大事なこと。これからは何かあったらすぐに言って」
A子は溢れる涙を堪えながら、娘を真っ直ぐに見つめて伝えました。

成長の証。初めてのアルバイト代で贈られた「お返し」

それからさらに1年後。高校2年生になったB子は、学業の傍らアルバイトを始めました。
初めて手にしたお給料で、家族に回転寿司をごちそうしてくれました。両親やきょうだいはもちろん、不登校期間中に何も責めず、会うたびにお小遣いをくれた祖父母も招待しました。

「これまで心配かけてごめんね。今日は私に奢らせて!」

誇らしげに笑う娘とともに囲む食卓。それは、A子にとって何物にも代えがたい、眩しいほど幸せな光景でした。

【体験者:50代・会社員女性、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.