子どもの頃に親から叱られた思い出は、時間が経つにつれて曖昧になっていくことがほとんどです。しかし中には、心に深く刻まれ、大人になっても鮮明に残り続ける出来事もありますよね。成長してから初めて、当時の親の思いに気づいたという人も少なくないはずです。今回は、筆者の知人が体験したエピソードをお届けします。
画像4: 放任主義で大らかな父

幸いにも二人とも許してはくれましたが、家へ向かう途中、言葉を失った父の背中が放つ重苦しい空気は、今でもはっきりと思い出せます。

あれから二十年以上の歳月が流れました。
社会人となって働く中で、要領よく立ち回ったほうが得をする場面に、幾度となく出くわします。失敗を誰かのせいにしたくなる瞬間がなかったわけでもありません。

それでも、そんな考えがよぎるたび、必ずあの夜に見た父の厳しい表情が脳裏に浮かぶのです。

成果や評価以上に大切なのは、「胸を張って生きていると言えるかどうか」という誇り。
父が必死に守ろうとしていたのは、私の心の尊厳だったのだと、三十代になった今、ようやく理解できました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Illustrator:fumo
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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