子どもの将来を心配するあまり、つい教育に力が入ってしまうという方もいるのではないでしょうか。親の期待と子どもの気持ちとのバランスをどう取るかは、難しい問題ですよね。今回は、筆者の知人が興味深いエピソードを聞かせてくれました。

息子からの衝撃的な一言

しばらくの沈黙の後、彼女はぽつりと、「合格発表の夜、息子に言われたの……」と打ち明けてくれました。

「これで満足? ママが望むものは手に入ったでしょ。僕はもう、2度と勉強したくない」

それは、感情がこもっていない冷ややかな声だったといいます。

志望校に合格させるために、A子は息子の睡眠時間や趣味の時間を削らせ、成績が下がるたびに叱咤してきたそうです。
「この子の将来のために、なんとしても合格させなきゃ」という思い一心で。

結果として合格はしたものの、その課程で、親子の信頼関係は磨り減ってしまったのかもしれません。

合格と引き換えに失ったもの

読書が大好きだった息子は、今では本を開くことさえ拒むようになり、毎日ぼんやりと過ごしているようです。

「合格と引き換えに、1番大切な子どもの笑顔を奪ってしまったのかもしれない。私は一体、何を守りたかったんだろう……」
そう嘆く彼女の姿は決して他人事とは思えず、同じ年の子どもを育てる立場として胸が痛みました。

画面には映らない真実

春先、SNSには「第一志望合格!」という眩しい報告が並びます。
しかし、本当のゴールは合格通知を手にすることではなく、4月から始まる新しい日々で子どもが健やかに笑えているかどうかだと、改めて感じました。

親の期待が子どもの心を押し潰してしまっては、本末転倒です。
どんな時も子どもの1番の理解者でいることが、何よりも大切なのだと感じた出来事でした。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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