これは、レストランで働く筆者の友人の話です。オープン直後に来店したお客さんから、席をめぐって不満をぶつけられる出来事がありました。そのやりとりから、強く感じた違和感をつづります。

かみあわない会話

早く来た=良い席に座れる
男性の頭の中には、そうした「先着順の公平性」が存在しているようでした。

もちろん、そのお気持ちもよく分かります。でも、店としては全体のバランスを見て案内を行っています。
最初に四人席を使ってしまうと、その後のお客様を待たせてしまう可能性があること。
これらを一つずつ、説明しました。

けれど男性は、うなずきません。納得できない、というより、ご自身が受けた「不公平感」に心が支配されているように見えました。

さらに男性は「ひどい扱いをうけた」と言います。

このとき、私はこれは席の話ではなく「自分が損をさせられた」という苛立ちをぶつけたいだけなのだと気づきました。

サービス業は奥深い

食事を終えた男性は、帰り際に「損をした! もう来ない!」と言い放ったのです。

精一杯の対応をしたつもりでしたが、申し訳なさと共に、やるせない気持ちが込み上げました。
こちらがどれだけ調整し、気を配っていても、意図が伝わらない場面はあります。
「早く来た自分が、得をするはず」というお客様の思いと、スムーズな運営を目指す店側の論理。
そのギャップを埋める難しさを痛感しました。

たとえ運営上の正解であっても、お客様に「損をした」と感じさせてしまったら、それは接客として完結していなかったのかもしれません。

あの日の出来事は、接客の難しさ以上に「お客様一人ひとりの公平感にどう寄り添うか」というサービス業の奥深さと課題を突きつけられた気がしました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

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