友人Aの話です。
「そんなところに置かないで」と何度伝えても、夫には届いていませんでした。
けれど、ある晩の出来事をきっかけに、家の空気が少し変わります。

それは、夫が夜に読むのを楽しみにしていた人気作家の新刊でした。
表紙は湿り、ページの端がゆっくりと反り返っていくのが分かります。
服を濡らした子どもを着替えさせ、うどんを作り直している間、夫は波打った本を手に、茫然としていました。

伝わる

その日を境に「とりあえずそこに置く」ことは目に見えて減りました。
大切にしていた本が濡れてしまったショックは、それほどに大きかったのでしょう。その姿を見てAも、自分だけが先回りして片づけるのではなく、もっと早く「困っていること」を共有すべきだったと気づきました。

あの夜をきっかけに、二人は「出しっぱなしはやっぱり危ないね」と、改めて言葉を交わせるようになりました。
家事は誰か一人の役目ではなく、暮らしの中で共有していくものなのだと、静かに伝わった出来事でした。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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