これは、筆者が実際に体験した話です。
職場が同じで仲良くなったシングルマザーのA子。いつも明るく楽しい彼女でしたが、次第に私たちが目にしたのは、幼い子どもを置き去りにして自分の時間を優先する、目を疑うような日常でした。大人たちの間で翻弄されながらも、自らの力で未来を掴み取ったある少年のエピソードをご紹介します。

私の運転でA子宅へ向かうと、玄関先で心細そうに待つ彼の姿が。当然、今日の遊びは中止だろうという空気が流れる中、A子は信じられない行動に出ます。「私だけ仲間外れにしないでよ! もちろんこれから行くでしょ?」と、息子くんを家に置いて再出発しようとしたのです。これには温厚な他の同僚も唖然。「今日はやめておきなよ」と諭しても、彼女は「せっかくの私の時間が……」と不満げな表情を隠そうともしませんでした。

少年の気丈な言葉に、大人が教えられたこと

母親に置いていかれそうになっても、泣きわめくわけでもなく淡々としている息子くん。心配になって「ひとりで大丈夫?」と声をかけると、彼はこう言いました。「ママがいないほうが静かで勉強できるし!」その強がりとも本音とも取れる言葉に、胸が締め付けられました。子どもにここまで言わせてしまう環境に、周囲の大人としてどう接すべきだったのか。結局、私は遊ぶ気分になれず、全員を送り届けて解散することに。

翌日、何事もなかったかのように「昨日は残念! 今日こそ飲む?」と誘ってくるA子に、私の心は完全に冷え切りました。他の同僚とも「さすがに子どもが可哀想だよね」と意見が一致し、徐々に彼女とは距離を置くことに。

彼氏ができたことを口実に誘いを断り続け、部署異動も重なって、A子とは自然と疎遠になっていきました。

母親を反面教師にして掴んだ未来!

親が自分の楽しみを優先している間、孤独の中で机に向かっていた息子くん。風の噂によると、その後猛勉強の末、自ら希望して、かなり偏差値の高い全寮制の中学校へ進学したそうです。「ママがいないほうが勉強できる」という言葉は、彼が厳しい環境を生き抜くための、切実な決意だったのかもしれません。

親が子どもの人生に与える影響は計り知れません。しかし、彼は環境を嘆くだけでなく、自分の力で環境を変える道を選びました。彼が選んだ新しい生活が、心穏やかで充実したものであることを願わずにはいられません。そして私たち大人も、周囲の子どもたちが発する小さなサインに、もっと敏感であるべきだったと考えさせられる出来事でした。

【体験者:筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:日向みなみ
出産を機に、子どもとの時間を最優先できる働き方を模索し、未経験からWebライターの世界へ。ライター歴10年の現在は、オンライン秘書としても活動の幅を広げている。自身の経験を元に、子育てや仕事に奮闘する中で生まれる日々の「あるある」や「モヤモヤ」をテーマに、読者のみなさんと一緒に笑って乗り越えるよう、前向きな気持ちになれるコラムを執筆中。

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