筆者の話です。
自転車で買い物帰り、日常の隙間に潜んでいた思わぬ場所で転んでしまいました。
そのとき、すぐそばから声がかかって——。

駆け寄る人

そのときです。
「大丈夫ね!? 怪我はないね!?」
待機していたタクシーの運転手さんたちが、次々とこちらへ駆け寄ってきました。
私が転んだ場所はちょうどタクシーの待機場所の前だったのです。

一人は散らばった荷物を拾い集め、もう一人は倒れた自転車を起こします。
別の一人が、私の体を支えながら「ゆっくりでいいからね、立てるかな?」と声をかけてくれました。

特別なやりとりはありません。
けれど、誰に指示されるでもなく、声を掛け合いながら自然に動く姿に、ただただ驚いていました。

やさしい声かけ

気がつけば、あっという間に元の状態に戻してくれていました。
何事もなかったかのようにタクシーに戻っていく運転手さんたち。

「……あ、ありがとうございます。すみません、お騒がせして……」
ようやく立ち上がり、消え入りそうな声で言いながら頭を下げる私に、最後の一人が運転席に乗り込みながら、パッと手を振って明るい声をかけてくれました。
「気をつけて帰るんよ!」

温かく見送られながら、自転車を押してその場を離れました。
擦りむいた膝は少し痛みましたが、それ以上に、人のやさしさが心に残る帰り道でした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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