遅い時間に近所の小学生が自宅に訪ねてきたため、慌てて対応した私。その後、思いもよらない展開が待っていました。最後に残った「小さな引っかかり」が今でも印象に残っている、筆者の体験談です。

扉の向こうから現れた、想定外の存在

10分ほど経った頃のことです。前の部屋の扉がゆっくり開き、そこからチョコンと顔を出したのは、まさかのT君のお父さんでした。

「Tが……すみません」

私は一瞬フリーズ。T君も同時に固まりました。

「え!? パパ、いたの?」

ずっと家にいたのに、なぜか気配がゼロだったのです。あまりの存在感のなさに、T君自身もパパが家にいることを完全に忘れてしまっていたようでした。ここまで存在感を消せるパパに、改めて驚きました。

T君はさっきまでの大号泣が嘘のようにピタッと止まり、しばらく父親を見あげて固まったのでした。

明かされた真相と、改めて感じた絆

後日、T君ママから事情を聞きました。

悪いことをして叱ったのは事実。その後に、「パパがいるから大丈夫」と、翌日のお弁当の買出しに出ただけだったそうです。

そして、突然の訪問に何度も謝られたのでした。

話を聞きながら「だよね!」と笑いました。決して子どもを置いて家を飛び出したわけではなかったのです。

しかし、T君が大号泣で家を飛び出し、私が玄関先で10分も付き添っていた間、パパは一体どこで、どんな風に存在感を消していたのでしょうか。

結果的に何事もなかったので笑い話になりましたが、「何かあったら、すぐ隣の家に駆け込める」という関係性が築けていたことに、少しだけホッとした出来事でした。T君パパのその圧倒的な「ステルス能力」こそが、あの一夜の最大のミステリーとして、今もわが家の語り草になっています。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.