今回は、筆者の知人A子さんのエピソードをご紹介します。
ある日、A子さんの住む地域一帯が停電になりました。「復旧まで2時間もあるの?」とA子さんは不安を感じましたが、そんな中でも嬉しかった出来事がありました──。

復旧見込みが立ち安心もしましたが、暗闇に包まれた部屋で過ごす時間は心細く、私は言いようのない不安を感じていました。ところが、リビングで大きな懐中電灯をつけて、それを家族4人で囲むように座ると、状況は一変しました。暗闇がそうさせたのか、自然と各々の近況を話したり、なぞなぞをしたり、いつの間にかリビングには久しぶりの笑い声が響いていました。

嬉しかったこと

「なんか、昔みんなで行ったキャンプみたいだね」と長女が話し始めます。「たしかに、マシュマロ食べたくなってきた」と次女。「お父さん張り切って腰痛めたよね」と夫。娘たちが小学生の頃に行ったキャンプのことを、昨日のことのように鮮明に覚えてくれていたことに、私は胸が熱くなるほど嬉しい気持ちになりました。

パッと明かりがつきました。日常が戻り、娘たちはまたそれぞれの部屋へ戻っていきましたが、私の心にはさっきまでの温かさが残っていました。停電は起きて欲しくありませんが、不自由な状況だからこそ、スマートフォンの画面越しではない「家族の顔」を真っ直ぐ見つめることができた気がします。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emma.I
長年人事業務に携わり、働き続ける人々の本音や葛藤に触れてきたライター。
現在は仕事や自身の育児を通じて得た経験を元に、誰かの心に寄り添い、クスッと笑えるエピソードを執筆中。特に、女子中高出身者の視点やグローバル企業出身者の視点からの記事を得意とする。

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