筆者の話です。大叔母の葬儀中、参列していた大叔母の孫Hさんが突然倒れ、場がざわつきました。
救命救急士の親戚Kさんが声をかけ続ける中、母は助けになりたくて「Hです。32歳です」と代わりに答えていました。
その善意が、あとから思わぬ形で「なるほど」に変わります。

問いかけの本当の意味

幸いHさんは救急病院に搬送されたものの、大事に至らず、その場は落ち着きました。
葬儀も再開され、親戚たちも少しずつ表情を戻していきます。

ところが後日、Kさんからこんなふうに教えられました。
「あの質問は、本人の意識レベルを保つためのもの。それと同時に、本人が自分の力で正しく受け答えができるかを確認していたんだ。周囲が代わりに答えてしまうと、本人の状態が正確に判断できなくなってしまうんだよね」
母の善意が、専門的な視点からは少しだけ空回りだったと知って、私は妙に印象に残ってしまいました。

ズレも学び

母は助けたくて、思わず口を出しただけでした。責められる話ではありません。
あの緊迫した場面で、沈黙を破って声を出し続けた母の優しさもまた、一つの形だったのだと思います。でも、専門的な場面を知らないと、よかれと思ったことがズレる瞬間もあるのだなと、私はそこで腑に落ちました。
次に似た場面があったら、私も「何か言わなきゃ」より先に、詳しい人の声に任せて見守ろうと思います。
善意はそのままに、出し方だけ少し整える。そんな小さな学びとして、今も覚えています。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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