これは筆者である私自身の体験です。家計を少しでも軽くしたくて、子どものプレゼントはフリマサイトやリサイクルショップで選ぶのが当たり前になっていました。「どうせすぐ汚れるし、中古でも同じ」そう割り切ったクリスマスに、私は確認不足で取り返しのつかない苦い失敗をしてしまったのです。

手が止まった……「消防署のハシゴがない」

ところが、箱を開けて組み立て始めた息子の手が急に止まりました。「消防署のハシゴがない」。何度も箱を探り、袋をひっくり返し、床に四つん這いになって必死に探す息子。でも、どこにもない。次の瞬間、堰を切ったように泣き出して「サンタさん、間違えたの? 僕、いい子じゃなかった?」と私を見上げました。胸がぎゅっと潰れるようでした。

中古品でパーツが足りなかった……。ただそれだけなのに、息子にとっては“楽しみにしていた夢が途中で壊れた”出来事だったのです。その不安そうな表情を見て、私は自分の浅はかさを痛感しました。

節約が悪いんじゃない。「確認しなかった」のが悔しい

後悔しているのは中古を選んだことではありません。「中古でも同じ」と決めつけて、確認を怠ったこと。子どもにとってプレゼントは物以上に“特別な体験”でした。

あれ以来、中古を選ぶなら必ずパーツ確認を徹底しています。足りない可能性がある物は避けるか、事前に補える準備をする。節約は悪じゃない。でも、子どもの“がっかり”は一生残ることがある。子どもの純粋な期待に傷をつけてしまうことは、親として何より避けたいことでした。安さより先に守るべきものがある——あの涙が、私に教えてくれました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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