高齢の母と出かけると、わがままの連発で正直疲れることも。
けれど━━母に振り回されている自分の姿は、かつて私に向き合ってくれていた母の姿なのかもしれない。そう思うと、心が少しだけやわらかくなった筆者の体験談です。

そして、もう一つ気づいたこと

そして、もう一つ気づきました。
ああ、これ全部、私が子どもの頃に母から言われていた言葉だ、と。

「ちゃんと待ってなさいって言ったでしょ」「早くしなさい!」
幼い私が母を困らせ、母もきっと同じように私を叱っていたはず。

立場が入れ替わっただけで、親子の会話は何十年も前と変わらないのです。
母が私に求めていることも、私がつい口うるさくなることも、お互いの愛情だと思うと、胸がじんわりと温かくなりました。

愛情は、巡り巡って

母との外出は今も変わらず大変ですが、少しだけ優しい気持ちで母の手を取れるようになりました。昔私の小さな手を引いてくれた母の手は、少し細くなったような気がします。
いつか私も息子や娘にこうして手を引かれる日が来るかもしれません。
そしてその時同じように気づいてくれたら嬉しいな、と思います。​​​​​​​​​​​​​​​​

【体験者:50代・筆者 回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。

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