インフルエンザによる子供たちの看病と長引く外出禁止生活。「このままでは取り返しのつかないことをしてしまうのではないか」という自分に恐怖を感じた筆者。限界を感じて夫にSOSを出し、たった4時間の「休息」を決行します。一時的に距離を置くことで取り戻した心の余裕と、母親が自分を守ることの大切さを描いたエピソードです。

夫へのSOSと、4時間の避難

「もう限界。これ以上一緒にいたら、子供に酷いことを言ってしまいそう」
その日も終電間近で帰宅した夫に、私は泣きながら訴えました。

夫は私の異常な様子を察し、「気づかなくてごめん。明日は俺が仕事を調整して見るから、外の空気を吸っておいで」と言ってくれました。

翌日、私は後ろ髪を引かれる思いを断ち切り、一人で家を出ました。
久しぶりに浴びる外の空気、目的もなく歩く街並み。
カフェに入り、誰にも邪魔されずに熱いコーヒーを飲む。

ただそれだけのことが、涙が出るほど贅沢に感じられました。
空を見上げながら「母」でも「妻」でもない「自分」に戻る時間。
凝り固まっていた心が、ゆっくりとほぐれていくのが分かりました。

「離れる」時間があったからこそ、また抱きしめられる

4時間後、家に戻ると、子供たちが「ママ〜!」と駆け寄ってきました。

家を出る前はあんなにイライラしていたその声が、今は愛おしく響きます。
「ごめんね、待っててくれてありがとう」
心からそう言って抱きしめることができました。

母親だからといって、24時間365日、笑顔で耐え続ける必要なんてないのです。
むしろ、心が壊れる前に「適切な距離を置くこと」は、自分を守るためだけでなく、子供を大切にするための賢い選択なのだと気づきました。

しんどい時は「しんどい」と言っていい。
ほんの数時間のリフレッシュが、私をまた「お母さん」に戻してくれたのです。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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