筆者の姑は漬物に並々ならぬこだわりがあります。そんな姑がアポなしでやって来た日、うちには漬物らしい漬物がありませんでした。その時のエピソードを紹介します。

「浅漬けが漬物!? 浅漬けなんて、野菜の塩もみでしょう! 漬物じゃないわよ!」と大きな声を出し始めた姑。続けて姑は、思わず耳を疑うような一言を放ったのです。

「『漬物をお願い』って言われて浅漬けを出すなんて、育ちが悪い証拠ね!」

さらに姑は、「しかも全然水分が抜けてない! 塩もみにさえなってないじゃないの!」「悪いけど、口にする気にならないわ」
と、立て続けに言い立てます。浅漬けを遠くに押しやった姑は、私が譲ったおかずを食べ始めたのでした。

出されたものは食べてほしい

姑はおかずを完食、一方の私は姑が一度も手を付けなかった浅漬けのみをおかずにしてご飯を食べました。

姑が浅漬けを漬物として認めない、それは個人の考えですから何も言うつもりはありません。

ただ突然の来訪では、こちらも適切な準備ができませんし、何より出されたものはちょっとでいいから食べてほしい。
そんな思いやりが欲しかったな、としみじみ感じた出来事でした。

この日以来、私は「姑なりのこだわり」を理解しつつも、無理に合わせすぎない距離感を保とうと決心しました。次に姑が来る時は、姑に気に入ってもらえそうな漬物がなければ、「急だったのでこれしかありませんが」と笑顔で受け流す強さを持ちたいと思います。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。

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