筆者の友人の母・美智子さん(61歳・仮名)は、一人息子が連れてきた結婚相手に猛反対しました。しかし数ヶ月後、思いがけない出会いが美智子さんの心を変えたのです。

おばあちゃん、はじめまして

久しぶりの息子。その隣には、あの一度きりの顔合わせで会った彼女。

そして、5歳くらいの小さな女の子が立っていました。

「おばあちゃん、はじめまして」

女の子は手作りの絵を差し出してくれたのです。

美智子さんは一瞬、息が止まりました。

「娘がずっと会いたがっていて。『おばあちゃんができる』って毎日喜んでいたんです」

女の子の無邪気な笑顔。一生懸命描いてくれた絵。必死に娘を育ててきたお嫁さんの姿。

美智子さんの心が、音を立てて動きました。

「こんな可愛い孫を拒否していた自分が恥ずかしい……」

涙が止まらなくなり、美智子さんはその場で謝りました。

週1回の公園

今、美智子さんは週1回、孫と一緒に公園に行く“仲良しばあば”になっています。

「血が繋がってなくても、この子は私の大切な孫」

美智子さんはそう振り返ります。

偏見で大切なものを見失うところでした。

孫の笑顔が、凝り固まった心を溶かしてくれたのです。

【体験者:60代・看護師、回答時期:2024年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

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