父親の自覚や子育てへの関わり方は人それぞれですが、筆者の知人Aさんの夫のように、子育てよりも自分の趣味を優先しがちなケースも少なくありません。「このままじゃダメだ」と思ったAさんのかけた言葉で、夫は子育てに参加してくれるようになったそうです。Aさんは一体どのような言葉をかけたのでしょうか。

「息子も小学生になったし、あなたの趣味を一緒に楽しめるようになったんじゃないかな? このまま遊んでくれない父親でいいの? 遊んでくれなかった父親になるかどうかの分かれ道が今だと思うよ」

すると夫は真剣な顔をして少し考え、「わかった」と言いました。どうやら夫も趣味も大切だけど、息子との関係については悩んでいたようです。

一緒に遊ぶいいパパに

それからの夫は、息子と趣味を楽しんでくれるようになりました。

子どもでも参加できるようなイベントを探してきてくれ、例えば山登りなら初心者向けのファミリーハイク、サバゲーの関連でいうとフィールドの清掃ボランティアなど、息子と一緒に参加するようになったのです。

息子もこれまで遊んでくれなかった夫と一緒に遊べるようになったのが嬉しい様子。

夫と出かけて帰ってくると、Aさんに「今日はこんなことがあったよ」といっぱい聞かせてくれます。

一方、夫も息子との時間を楽しんでくれています。息子を連れて行くことで夫が物足りなさや不満を感じていないか心配だったAさんでしたが、思いのほか息子との時間は楽しいようでした。

息子は一緒に趣味を楽しめる存在に

出産前、夫にとって想像の子どもは自分の趣味を邪魔されたくない存在でした。しかし、実際に生まれ大きくなって趣味を一緒にやってみたら、一緒に楽しめる仲間のような存在だと気づけたようです。

これまで関わっていなかった反動もあって、夫は父親としての意識に目覚め子どもの可愛さや一緒に過ごす時間の楽しさを知りました。

Aさんは趣味を楽しむ2人の様子を見ていると、置いていかれたような寂しい気持ちになることも。しかし、それ以上に、夫が生き生きとし、息子が楽しんでいる姿は、Aさん自身の喜びでもありました。父と息子の関係がよくなり、家族の会話が増えたことが、何より嬉しかったのです。

趣味を大事にする夫を尊重して、無理に趣味をやめさせようとせず、子どもを趣味に巻き込もうというAさんの作戦は大成功でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。

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