皆さんは、公共の施設や共有の場所で困ったトラブルに巻き込まれた経験はありませんか。どこに言っていいのか、どんな人がどんな目的で起こしている問題なのか、関わるのは少し怖いですよね。今回は、筆者が体験した、公共トラブルについてのエピソードをお届けします。

胸が苦しくなる理由が判明

後日、管理人からお知らせがポストに入っており、胸が締めつけられる事実が判明したのです。

Sさんは軽い認知症を患っており、最近は物忘れが増えていたらしく、「捨てた覚えのないものがなくなった」と思い込んでは、探し物をするように周辺のゴミ捨て場を探すようになっていたのだそう。

ひっそりとゴミ袋を開けては中を確認し、戻していたつもりが、夜中でよく見えず、扉を閉め忘れてしまい、翌朝にカラスなどが突くことでゴミが散乱してしまった……という真相でした。

人同士だからできること

事情を知った管理人は、当初の犯人探しムードから一転。
「どうしたらS子さんをサポートできるか?」と考えだしました。

まずゴミ捨て場は、簡単に開けられないよう、住民にのみ暗証番号を共有して施錠するシステムに変更し、S子さんの息子さんとも連携。夜間見かけた際には声掛けを行い、無理のない範囲で地域で支える仕組みを作っていきました。

私はこの出来事を振り返り、「見えたものだけで決めつけていたら、きっと誰かを傷つけていた。背景を知るだけで、こんなにも見方が変わるんだ」と感じました。
人間関係もトラブルも、「表面だけで判断しない」そんな大切な気づきを再確認した出来事でした。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2024年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。

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