「同僚の距離感が近すぎて苦手」と思っていたけど →『まさかの行動』に「本当に助かりました！」

救世主は、まさかの「あの人」

「あの、これ探してません？」
早足で近寄ってきたのは、なんとBさんでした。

彼女が差し出したUSBメモリには、なんと消えたはずの資料のデータが入っていたのです。
「昨日、上司に頼まれて、共有フォルダの整理をしたんです。その時、念のためにバックアップ取っておいてよかった〜！」
Bさんはさらに「ここ、手伝いますよ！」と自分の椅子をA子の隣に引き寄せ、猛スピードで修正作業を手伝い始めました。

いつもなら鬱陶しく感じるその距離の近さが、この時ばかりは頼もしくて仕方ありません。
二人で画面を睨み合い、キーボードを叩く音だけが響く中、A子の心からはBさんへのわだかまりが消えていきました。

「苦手」というレッテルを剥がしてみたら

無事に資料を提出し終えた後、深く安堵したA子はお礼を言いました。
「本当に助かりました。Bさんがいなかったらどうなっていたか……」

するとBさんは、少し照れくさそうに笑って言ったのです。
「いいえ〜！ 私こそ、いつもA子さんに助けてもらってるので」
その一言を聞いた瞬間、A子の心のシャッターは完全に開きました。「苦手な人」という一方的なレッテルではなく、「不器用ながらも、純粋に優しい同僚」というフラットな認識へと変わっていったのです。

あの日以来、Bさんの「お節介」は、A子にとって「頼もしい気遣い」へと変わりました。
人間関係の悩みは、案外自分の思い込みが生んだ壁なのかもしれません。
その壁を少し低くしてみるだけで、景色は驚くほど変わることもあるのです。

【体験者：30代・女性会社員、回答時期：2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト：K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。