皆さんは、普段の会話の中で価値観の違いから、本人に悪気がなくても、受け取り方によって、不快に感じた経験はありませんか。「自分基準」が人それぞれにあるため、相手にどう受け取られるのか客観視するのはなかなか難しいですよね。今回は、筆者の友人E美が体験した、互いの価値観を認め合い、職場の会話が前向きに変化したエピソードをお届けします。

その言葉にT子は「そうですよね。A子さんの時代にはそれが目標だったんですね。でも今って、結婚することが絶対ではないし、自分を満たすことを大事にする時代なんですよ。A子さんの時代があったように、時は流れてるし、時間は有限だから、私は今を目一杯楽しむために、お金を使いたいと思うんです」と笑ってごまかすこともなく、冷静に自分の考えを伝えていました。

T子の発言に、休憩室の空気が一瞬静まり、E美はハッとしました。
A子は「なるほどねぇ……。お金の使い方も時代によって変わるのね。私も推し活してみようかしら」と、年下に真正面から反論されたにも関わらず、T子の口調が穏やかであったのが効いたのか、少し照れたように笑って受け入れたのです。

それ以来、「私の時代は〜」が口ぐせだったA子は「今の子たちはこれが流行ってるの?」と、若い世代の価値観を知ろうとする姿勢に変化していきました。よくよく聞いてみると、自宅で孫に「昔の話ばっかりでつまらない」と言われたこともきっかけのひとつになっているようでした。

年代が違っても、互いの背景と価値観を認め合えば会話はちゃんとつながる。多様な価値観や固定概念を押しつけるのではなく、互いに尊重し合うことが、より良い人間関係を築く鍵なのだと感じたエピソードでした。

【体験者:30代・女性パート、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。

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