皆さんは、家族やパートナーのふとした瞬間にドキッとさせられたことはありますか。
普段は無口で人見知り、もう少し社交的になってくれたら……と思ってしまうことはあっても、思わぬ場面で、その人の本質が分かることもあります。
今回は、筆者の友人S子の電車で胸が温かくなったほっこりエピソードをお届けします。

いつもは無口な夫が自ら動いた!

その時、無口なS子の夫がスッと立ち上がり、「ここ、どうぞ」と静かに席を譲りました。 お母さんが「ありがとうございます」と一礼して座ると、夫も軽く会釈を返し、つり革を握ってちょうどS子の目の前に立ちました。

お母さんは、譲り受けた端の席に腰を下ろすと、眠くてぐずっていたお子さんを自分の膝の上にしっかりと抱きかかえました。

S子も「私も立ちましょうか?」と声をかけようとしましたが、お母さんは「このままで大丈夫ですよ、ありがとうございます」と優しく遠慮されたため、そのまま座っていることに。 こうして、座っているS子とお母さんのすぐ前に、夫が静かに立っているという形になりました。

ところが、しばらくして電車が大きく揺れた時のことです。お母さんの膝の上でうとうとしていたお子さんの体が、バランスを崩して今にも床へずり落ちそうになってしまったのです。

その瞬間、すかさずS子の夫は手を差し出し、子どもが落ちないように支えたのです。
横で見ていたS子も驚きのあまり「大丈夫ですか?」と尋ねると、一瞬の出来事にお母さんも驚きながら「助かりました! ありがとうございます! あんなにすぐに動けるなんて、旦那さん優しい方ですね」と、返答してくれ、少し世間話をしました。

その間、助けた夫は軽く会釈して、また静かにS子とお母さんが話している側に黙って立っていました。
S子はその夫の姿を見て、なんだか胸がじんわりしました。
普段は言葉が少なくても、いざという時には自然に人を助けられる夫は、華やかな社交性よりもずっといいところを持っていると感じたからです。

S子は家に帰って、今日あった出来事を話している際に、「あなたと結婚してよかった!」とつい嬉しさが口から溢れてしまいました。
S子の夫は照れくさそうに、「いや、たまたま目の前で起こったことに対処しただけだよ」と笑っていました。

この出来事をきっかけに、S子は確信しました。言葉で飾る社交性よりも、普段から人を思いやる優しさが染みついていないとなかなかできない「行動力」こそが、真の優しさなのだと。 夫の寡黙な優しさを誇らしく思うと同時に、そんな彼をパートナーに選んだ自分自身のことも、少し誇らしく思えるようになった素敵な一日だったそうです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。

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