これは筆者自身の年末の出来事です。毎年の大掃除は、夫はやる気ゼロ、息子は散らかすだけで、結局私が一人で終わらせるのが恒例でした。今年もため息をついていたとき、ふと思いついた「ポイント制作戦」この小さな工夫が、家族に思わぬ変化をもたらしたのです。

乗り気じゃない夫と、燃えた4歳児

案の定、夫は「面倒くさいなあ。俺が息子見てるから、お前やっといてよ」と言いかけました。その瞬間、横で聞いていた息子が「やるー! ピカピカする!」と大きな声で割り込んできたのです。ウエットティッシュを握りしめ、ニコニコしながら床を拭き始める姿は、完全に“お掃除ヒーロー”の気分。そんな息子の様子を見て、夫の表情も少し変わりました。「じゃあ……俺は換気扇でもやるか」と脚立を出し、本気モードで油汚れと格闘し始めたのです。「窓ふきは3ポイントだよ、誰かやる人〜?」と声をかけると、息子が「やるー!」、夫が「いやそこは父ちゃんにやらせてくれ」と笑いながら手を挙げ、気づけば家中が“掃除ゲーム会場”のようになっていました。

「掃除も悪くないね」と言った夫のひと言

ひと通り終わった夕方、家族3人でポイントの集計タイム。息子は靴を並べたりおもちゃを片付けたりして合計5ポイント獲得。「いっぱいためたね〜」と抱きしめると、得意げな顔でニコニコしていました。意外なことに1位は夫。「途中から意地になっちゃったよ」と笑いながら、“家族で焼肉ディナー券”を受け取っていました。最後に夫がふと「掃除って、やればけっこうスッキリするんだな」とつぶやいたひと言に、私の中のモヤモヤがすっとほどけていくのを感じました。少し工夫するだけで、ただの面倒な大掃除が、家族で笑い合えるイベントに変わる。完璧なやり方なんてなくて、わが家なりのペースで楽しめればいいのかもしれない。そう思えた、年末の小さな転機でした。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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