重度知的障害と自閉症がある長男の反抗期に疲弊していた筆者の話です。ある日、スーパーの清掃員さんから「息子さんはいつも元気に挨拶してくれる優しい子」と聞いて……? 家では気が付かなかった息子の成長を知りました。

長男の知らなかった一面

「毎朝ね、掃除していると『おはようございます!』って元気に声かけてくれるんです。こっちが元気をもらっています」

その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れそうになりました。

家では毎日反抗ばかり。
私の顔を見れば文句を言い、何をしても怒ります。

もう息子の笑顔なんて見ていない気がしていました。
しかし、外では知らない人に対しても、自分からきちんと挨拶をしていたのです。

「いつも元気で、いい子ですよね」と清掃員さんは続けます。

「この前なんて、私が重い荷物を運んでいたら『大丈夫ですか?』って心配してくれて。優しい子だなって思いました」

もう涙が止まりませんでした。

初対面の清掃員さんの前で、思わず涙ぐんでしまいました。

「すみません、ありがとうございます。家では反抗期で、毎日喧嘩ばかりで……」
「あら、そうなんですか。でも外ではちゃんとしていますよ」

その言葉に、どれだけ救われたことでしょう。

長男の成長

家では毎日戦いの日々で、長男の良いところなんて見えなくなっていました。

しかし、長男は外では社会と繋がりを持ち、知らない人に挨拶したり、困っている人を心配することができていたみたいです。

その日から長男を見る目が少し変わりました。

反抗的な態度は相変わらずでしたが、「外ではちゃんとやっているんだな」と思うと、少し心が軽くなったのです。

反抗期はまだまだ続くでしょう。家での喧嘩も減らないかもしれません。

でも、長男はちゃんと成長しています。
それを教えてくれた清掃員さんに、心から感謝しているのです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

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