友人Aの話です。
義父の容体が悪化し、夫と義母で説明を受けに病院へ行った日。
録音までしていた夫が「妹の連絡先を知らなかった」と苦笑い──思わぬ「家族の距離感」に、Aは驚かされました。

録音した夫の「苦笑い」

しかし、帰宅した夫は、どこか照れたような表情で言いました。
「録音したのはいいんだけどさ……妹の連絡先、知らなかったんだよね」
まさかの一言にAは思わず聞き返しました。
どうやら、義母を通してしかやり取りをしていなかったとのこと。
Aは義妹の連絡先を知っていたので、夫の言葉に余計に驚かされました。

心配になり「弟のほうは?」と尋ねると「知ってるけど、返事が来たことがなくて」と肩をすくめる夫。
淡々と語る姿に、Aはなんとも言えない気持ちになりました。

兄妹の「距離感」に戸惑う

義父の病状という重い話題でさえ、兄妹同士で直接話せない。
Aは「そんなこと、私の家族では考えられない」と胸の奥がざわつきました。

けれど、夫に悪気はありません。
連絡を取らないのが当たり前のような空気が、いつの間にかその家族の「普通」になっていたのでしょう。
Aはため息をつきながらも「親のことなんだから、私を通さず話し合ってね」とだけ伝えました。

それぞれの「家族の形」

「連絡がないってことは、問題が起こってないってことだから」と夫は言います。
Aはその言葉を聞きながら、自分の家族とはまるで違う「絆の形」を思いました。

親子や兄妹のつながりは、濃ければ良いというものでも、希薄だから悪いというものでもないのかもしれません。
でも、緊急時くらいは連絡が取れるようにしておいてほしい──。

そう思うAをよそに、気にする様子のない夫。
その姿を見て、家族の距離の取り方は本当に人それぞれだと感じました。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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