日々の仕事に追われていると、ふと「このままでいいのかな?」と立ち止まって考えることもありますよね。転職活動は、そんな迷いの中で“これからの自分”を見つめ直すチャンスでもあります。今回は、筆者の友人が転職のエピソードを聞かせてくれました。

何百回も聞いたことがある声。心臓がドクンと跳ねました。
どう考えてもそれは、私の夫の声でした。

私は恐る恐る隣のブースを覗き込みました。
そしてそこには、真剣な表情で面接官と話をしている夫の姿があったのです。

どうしてここに?!

夫も私に何も言わずに転職活動をしていたなんて。

状況が面白すぎて、私は笑いをこらえるのに必死でした。
夫は私に全く気づいていないようで、そのまま真剣に面接を受けています。

声をかけることもできず、私はただ夫の面接の様子を、こっそり見守ることしかできませんでした。

面接が終わり、夫がブースから出てきた時、私は勇気を出して声をかけました。

「あなたも転職活動してたの?」

夫は私の声にギョッとした表情で振り返り、そこに私がいるのを見て驚愕!
みるみるうちに顔が真っ赤に染まっていきます。

「きみこそ、どうしてここに……!?」

夫婦そろって新たなステージへ

お互いに秘密にしていたことがバレてしまい、最初は気まずさでいっぱいでしたが、ブースの隅でこっそり状況を説明し合っているうちに、だんだんと笑いが込み上げてきました。

実は夫も、私を驚かせようと思ってこっそり転職活動をしていたらしいのです。

その後、私たち夫婦は互いに転職活動を応援し合い、情報交換をしながら活動を進めました。
そして半年後、別々の会社ではありますが、2人とも無事に新しい職場を見つけることができたのです。

予想外の場所での出会いが、夫婦の絆を少し深めてくれた出来事でした。
今でも時々、あの日の説明会を思い出しては、2人で笑い合っています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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