これは、筆者が実際に体験した話です。
まだうまくおしゃべりができない2歳の娘。公園で「てっち! てっち!」と何かを必死に訴えてきます。適当に聞き流していた私に、娘がまさかのブチギレ!? 娘が伝えたかったコトバの真相と、可愛すぎる成長の瞬間とは……?

「トリ! トリーー!」まさかの流暢な日本語

埒が明かないまま途方に暮れていると、娘はベンチから立ち上がり、公園の水辺をビシッと指さしました。そして、叫んだのです。「トリ! トリーー!」……え? 私は一瞬、耳を疑いました。水辺を見ると、数羽の鳥が遊んでいます。「もしかして、『てっち』って、『トリ』のことだったの?」

娘は「そう!」とばかりに、今度は満足そうに「トリ! いた!」と教えてくれました。まさかの「てっち=トリ」という変換! そして、今まで聞いたこともないくらいハッキリとした、流暢な日本語!

可愛すぎる「成長の瞬間」に降参

あまりの剣幕と、あまりにクリアな「トリ」という発音に、私は驚きと可笑しさで一気に力が抜けてしまいました。どうやら娘は、大好きな鳥を見つけて、私に必死に教えようとしてくれていたようです。それなのに、私が「てっちね」と適当に聞き流すものだから、「ちゃんと見て! 『トリ』なの!」と怒ってしまったのでしょう。その伝わらない悔しさが、彼女の言葉を成長させた瞬間でした。

あんなにイライラしていたのが嘘のように、心がほっこりと温かくなりました。必死に伝えようとする小さな背中と、怒りのパワーで日本語が覚醒した娘が、たまらなく愛おしく思えた出来事です。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:日向みなみ
出産を機に、子どもとの時間を最優先できる働き方を模索し、未経験からWebライターの世界へ。ライター歴10年の現在は、オンライン秘書としても活動の幅を広げている。自身の経験を元に、子育てや仕事に奮闘する中で生まれる日々の「あるある」や「モヤモヤ」をテーマに、読者のみなさんと一緒に笑って乗り越えるよう、前向きな気持ちになれるコラムを執筆中。

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