友人Aの話です。
娘が結婚を急ぐ姿に「少し待ってほしい」と思っていたA。
けれど、義息子の行動を通して、自分の「思い込み」に気づかされました。
悲しみの中で垣間見た誠実さに、心がほどけた出来事です。
画像: 母が亡くなったばかりなのに。結婚を急いだ娘夫婦に戸惑うも → 親戚の葬儀での『義息子の姿』にハッ

母の死と、娘の結婚宣言

闘病中だった母が亡くなり、四十九日も終わらないうちに、娘が「結婚したい」と言い出しました。
お付き合いをしている人がいることはもちろん知っていましたが、まだ出会って1年経つか経たないか。
もう少し様子を見た方がいいのではないかという気持ちもあり「せめて喪が明けてからにして」と伝えましたが、娘たちの気持ちは変わりませんでした。

私の心がまだ母を失った悲しみの中にある中で、あっという間に娘は結婚相手と二人で入籍日まで決めてしまい、4カ月後には入籍。
早すぎる展開に戸惑い、心から祝福する気持ちにはなれませんでした。

義息子へのわだかまり

当時の私は、娘の夫に対して「こちらの事情を汲まず、自分の思いを通す人」という印象を持っていました。
あいさつの場面でも礼儀正しく接してくれるのに、どこか表面的に感じてしまう。
喪中の私の気持ちを汲んでもらえなかったことが、心に引っかかっていました。
心のどこかで「母の死を軽んじられた気がする」と思い込み、気持ちの中で距離を置いていたのです。

葬儀で見た義息子の姿

数年後、夫の父が亡くなりました。
悲しみの中で慌ただしく動く家族たちの間で、率先して動いてくれたのは娘の夫でした。
「ご飯買って行くので、お義母さんたちは座っていてくださいね」
「親戚の方のお迎えは僕が行きますよ」
弔問客への対応から食事の手配まで、誰よりも気配りを欠かさない姿にハッとしました。
彼は言葉ではなく「行動で示す人」だったのです。

誠実な姿に、心がほどけた

ふと気づけば、わだかまりを抱えていたのは私だけ。
義息子は最初から、家族を大切にしてくれていたのかもしれません。
「思い込みで人を見ていたのは自分だった」と反省し、胸が温かくなりました。

あの日から、彼を「娘の夫」ではなく「頼りがいのある息子」として見ています。
誠実さを行動で示す義息子に感謝し、思い込みを反省した出来事です。

【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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