筆者の友人Aの話です。
お稽古仲間との韓国旅行で、初めて海外へ行く師匠も同行することになりました。
出発当日、空港へ向かう車内で飛び出した師匠の一言に、一同は凍りつくことに──。

「パスポートは仏壇に供えたまま」一同、絶句

「パスポートは仏壇に供えたままだけど、いるの?」
あまりに予想外の言葉に、車内は一瞬で静まり返りました。
「……え? 仏壇に?」と誰かが聞き返すと、師匠はにこやかに「無事に旅立てますようにって、お供えしておいたの」と答えます。

師匠は大切なものをまず仏壇にお供えするのが習慣となっていたのと「取得したら持って行かなくてもいい」と勘違いしていたようで、Aたちは顔を見合わせるばかり。
慌てて運転手さんにUターンをお願いし、師匠の自宅へ逆戻り。
冷や汗をかきながらも、なんとか仏壇に置いていたパスポートを回収しました。

初めての海外旅行に潜む「思わぬ落とし穴」

車内が再び動き出すと、誰からともなく笑いがこぼれました。
「やっぱり初めての海外旅行って、いろんな意味で緊張しますね」とA。
師匠も「もう仏壇に置かないようにするわ」と笑いながら答え、ようやく車内の空気が和みました。

無事に出発でき、旅はより一層思い出深いものに。
Aは、当たり前と思っていた準備の中にも「人それぞれの思い込み」が潜んでいるのだと実感。
はじめての海外旅行には思わぬ落とし穴があると、身をもって知った出来事です。

【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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