筆者のエピソードです。世界陸上を国立競技場で生観戦した夜。小1の息子は、ただのスポーツ観戦以上のものを感じ取っていたようでした。”生で感じる”という素晴らしさ。あの日から、彼の中で“世界”と“本気”の意味が少しずつ変わっていったようです。

走り方の研究!? “自分も”の気持ち

それから数日後、ふと見ると、息子が鏡の前で走り方の研究をしていました。
「こうやって足をすごいあげてたよね?」
その後も連日で見続け、選手たちのフォームをまねしながら、真剣な顔をしていました。小さな足がトタトタと動くたびに、あの日の拍手と歓声がふとよみがえります。本人なりに、“本気でやる”ということを、自分の中で探しているようでした。

小さな心に芽生えた“本気”の種

世界陸上を観に行ったのは、「なかなかこんな機会もないしね~」という気持ち程度でした。でも、息子の中ではそれが確かに何かを変えました。世界にはいろんな人がいて、どの国の人も努力して、全力で走っている——そんな当たり前のことを、幼いながらもちゃんと見ていたのでしょう。

あの日、国立競技場の空気に包まれながら芽生えた“本気の種”。それは、これからの長い人生で、きっとどこかのスタートラインに立つ彼を支えてくれる気がします。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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