人生には、思いがけない出来事が起こるものですよね。幸せの絶頂から突然の悲しみに突き落とされることもあれば、苦しい中で大切な人の意外な一面に気づかされることも。今回は、筆者の友人のエピソードをご紹介します。

言葉に代わる夫の行動

けれど、夫は静かに、ずっと私のそばにい続けてくれました。
温かい食事を用意し、泣き疲れて眠る私に毛布をかけ、朝は早く起きて洗濯物を干してくれていました。

無理に笑わせるようなこともせず、無理に元気づけようともしない。
ただ、私が生きていくための小さなことを、淡々と、そして確実に積み重ねてくれていたのです。

日を追うごとに、その行動の裏にある夫の気持ちが、私には少しずつ分かってきました。
夫は「元気を出して」と言う代わりに、黙々と私を支える手を動かしてくれていたのだ、と。

不器用な愛情がくれたもの

確かな優しさが、そこにはありました。
夫は、言葉ではなく行動で、私をそっと包んでくれていたのです。

夫との静かな日々が、少しずつですが私を立ち直らせてくれました。

その後、私たちは幸運にも2人の子どもに恵まれ、今は慌しい日々を送っています。
夫婦喧嘩をする時もありますが、そのたびにあの頃の夫の不器用な優しさを思い出します。

悲しい経験を通して、私は夫の深く、そして変わらない愛情を知ることができました。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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