公共の場にはさまざまな事情を抱えた人がいます。自分とは異なる状況であれ、大人であれば気遣う姿勢を見せるべきではないでしょうか? これは筆者の知人・Mさんがスーパーで遭遇した悪と善のエピソードです。
画像: 薬の副作用で足が遅い私。スーパーで「邪魔なんだよ!」怒鳴られ絶句 →『思いがけない救世主』にウルッ

スーパーで

私は現在60代ですが、40代後半でさまざまな病気に見舞われてしまい、現在も治療を継続しています。
薬の副作用で腰や膝の痛みが強くなることがあり、ゆっくりとしたスピードでしか歩くことができない状態……自分でも思うように動かない身体をもどかしく思う毎日です。

つい先日、スーパーへ買い物に行った時のこと。
私はカートにつかまりながらゆっくり歩くことしかできないため、その日も入り口で大きめのカートを選び、売り場をゆっくりと歩いていました。

すると、後ろからいきなり「邪魔なんだよ! のろのろ歩きやがって!」という罵声とともに、高齢の男性が私にぶつかりながら追い越していったのです。

若いご夫婦

ぶつかられたはずみで私はよろけてしまい、支えた側の膝に激痛が走って、動けなくなってしまいました。
すると、「大丈夫ですか?」と近くにいた若いご夫婦が駆け寄って声をかけてくれたのです。

この若いご夫婦は見た目がとても派手で、私の子どもたちよりも若い世代でした。
普段なら少し怖気付いてしまうような出で立ちでしたが、女性の方は私の手を取って支えてくれ、男性の方はぶつかった高齢男性に向かって「ちょっと! あんた何してんの!」と注意してくれました。

善と悪

男性の声に気付いた店員さんも来てくれて、その場は騒然となりました。
私にぶつかって暴言を吐いた男性は、周囲の圧力に耐えられないという顔をして、立ち尽くす有様。

私は結局痛みが取れずに病院へ行くことにしたのですが、救急車を呼んでくれたのも、その若いご夫婦だったのです。

私は連絡先を聞き、後日お礼をしたいと電話をしたのですが「気にしないで下さい。それよりも痛みは大丈夫ですか?」と心配してくれました。

思い込み

その場の状況や、相手の身体の状態を顧みず、自己中心的な振る舞いをする男性のことを、信じられないと思いました。

私を助けてくれたご夫婦は、まだまだ若いのに思いやりあふれる対応をしてくれ、大変ありがたかったです。
個性的なファッションで、一見近寄りがたいような印象でしたが、この年になって「人間は見た目ではない」と教えられた気がしています。

【体験者:60代女性・主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子供を養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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