離れて暮らす親の防犯対策、どうしていますか? 筆者の知人・サワコさん(仮名)は、実家に突然訪れた工事業者に不信感を抱き、急いで駆けつけました。ところが、その後の見守り対策で思わぬ事態が起こったのです。
画像: 実家に突然「工事業者」が! 悪徳商法を見抜いた娘が「見守り対策」をするも →『予想外の展開』に

配電盤の交換? なんだか怪しい

「配電盤の交換が必要って工事の日取りの電話が来たの」

車で40分離れた実家の母親からの連絡に、サワコさんは首をかしげました。

「なんか壊れたん?」

母は曖昧に答えます。

「よく分からないけど、業者が見てくれて」

サワコさんがいくらかと聞けば

「お父さんに聞いてよ」

父に確認しても

「分からんけど書類が来とる」

……これ、なんだかおかしい。

田舎の両親は、インターフォンを使わず玄関で直接応対してしまうタイプ。

以前から防犯が心配でした。

「そのまんまにしといて。私、明日見に行くし」

優しく声をかけて電話を切ったものの、詐欺かもしれないと心配でドキドキしていました。

高額請求書に背筋が凍る

翌日、実家に駆けつけて書類を確認したところ、金額はなんと43万円。

払えないわけじゃない、絶妙な高額設定に背筋が凍りました。

幸い、まだ支払いはしていませんでした。

念のため電力会社に確認すると

「配電盤の交換? そんな工事、うちからは依頼していませんよ」
やっぱり! 悪質な点検商法の業者だったのです。間一髪、詐欺被害を防ぐことができました。

サワコさんは改めて両親に伝えました。

「玄関は必ずインターフォン越しに確認してね」

でも、返ってきたのは「田舎だから大丈夫よ」

どこか他人事。不安はぬぐえません。

母のパニック

これを機に、両親から許可を得て防犯対策として見守りカメラを玄関に設置しました。

「もう安心」

そう思ったのも束の間。

数日後、母から電話がありました。その様子はパニックそのもの。

「この前のカメラ! まるで監視されているようで怖いの」

「それ、私が設置したカメラやって! それに、玄関しか映ってないよ。防犯のためやん」

何度説明しても「なんか見られている感じで嫌なのよ」と言って、カメラを壁側に向けてしまう始末。

これでは、まったく意味がありません。

離れて暮らす親への想い

こちらは心配で必死なのに、当の本人たちは危機感が薄いのです。

この温度差、どうしていいのやら。技術だけでは解決できないようです。

ただ、カメラを嫌がる親の気持ちも理解できます。

親の気持ちも、子どもの想いも、お互いが歩み寄らなければ、本当の安心は生まれないのかもしれません。

防犯意識を高めるには、時間をかけて寄り添うしかないのでしょう。

離れて暮らす親の防犯対策は、本当に難しいのです。

【体験者:50代・女性会社役員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

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