ワンオペ育児で追い詰められ、プレッシャーで押しつぶされそうな毎日を送っていた筆者。そんな時、義姉の何気ない一言で救われました。子育てはもっと肩の力を抜いて良いのだと学んだ筆者の育児エピソードです。
画像: 周囲の「風邪ひかせないようにね」が重荷だった。育児ノイローゼの私 → 義姉の『明るい言葉』に「救われた」

不安だらけの初めての育児

長男が生まれたばかりの頃、私はワンオペで育児をしていました。夫は仕事が忙しく、毎日深夜帰宅、お互い実家が遠く、頼れる人もいません。

息子は抱っこをしていないと一日中泣き、夜泣きも人見知りもひどい子でした。
私は常に息子に付きっきりで、気持ちが休まる瞬間はありませんでした。

今思えば、あの頃の私はほとんど育児ノイローゼのような状態だったと思います。
「私の育て方が間違っているのではないか」━━そんな不安がいつも頭をよぎり、気持ちは追い詰められていきました。

些細な言葉さえ重荷に

そんな時、周囲の人からの一言が重くのしかかりました。
「寒いから風邪ひかせないようにね」
きっと季節の挨拶代わりの軽い声かけだったのでしょう。

けれど、その時の私には「ちゃんと育てなさいよ」と責められているように聞こえました。
誰にも頼れない状況で、私はますます神経質になっていきました。

義姉の一言に涙

ある日、息子と同い年の娘を育てていた義姉と会いました。何気ない会話の中で、義姉が言ったのです。
「寒くなると、みんな“風邪ひかさないようにね”言ってくるでしょ。でもね、風邪ぐらいひくひく! みんなひくんだから」
「いいのよ、ひいたって。生きてる証拠じゃん!」

その瞬間、私の心の中の氷が一気に溶けたように感じました。今まで張りつめていた気持ちがほどけ、涙が止まらなくなりました。
義姉は少し驚いていましたが、その言葉は、私の苦しさをすべて見透かしたようでした。

正解探しより、肩の力を抜いて

振り返れば、私は常に『正解』を探す育児をしていたのかもしれません。
泣かせないように、風邪をひかせないように、完璧にこなさなければと自分を追い込んでいました。

けれど義姉の言葉は、「そんなに力まなくてもいいんだよ」と教えてくれました。
あの日から私は、子育てを少し肩の力を抜いて向き合えるようになりました。

息子は何度も風邪をひきながら、健康な大人に成長しました。
今でも義姉のあの言葉には、心から感謝しています。

【体験者:50代・筆者 回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。

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