物騒な世の中で生きる私たちは常に警戒心のアンテナを張り巡らせています。とくに詐欺や事件が多いと聞いている事柄については用心深く対応するもの。しかし、警戒心のあまり、誰彼構わず攻撃的になってしまうのは考え物です。今回は筆者が実際に体験した『国勢調査』にまつわるエピソードを紹介します。
画像: 【国勢調査】自宅を訪問してくれた調査員の方に「お疲れ様です!」と声をかけた結果

ニュースで知った現状

5年に一度の国勢調査の時期がやってきました。

そんな最中、ニュースやSNSで知ったのは国勢調査を装った詐欺が横行しているという事実。
世帯の人数や職業など細かい情報を聞き出す国勢調査を装うなんて、怖くて仕方がありません。

ニュースでは、詐欺の存在を知り、調査員に対して疑い深くなったり、追い返したりする人も少なくないと報道しています。

国勢調査は現在はオンラインでも行われていますが、まだまだ調査員の手渡しで行われることも多く、不在の場合、3度は調査員の方が訪問することもあるという事実も知りました。

国勢調査

ニュースを見た数日後、ついに我が家にも国勢調査の調査員の方がやって来られました。

その方はインターフォン越しに身分証を見せてくれたのち、玄関先でもていねいに身分証の提示と自己紹介をしてくれました。

ていねいで気持ちの良い対応をされる調査員の方に対して、私は「お疲れ様です! わざわざ一軒ずつありがとうございます」と声をかけます。

すると、その方は目をまん丸にして驚いたのち、とびっきりの笑顔で「ありがとうございます!」とお礼を言ってくれたのです。

地域の現状

その後、その方と話しているうちにわかったことですが、その方はなんと仕事として国からお給料をもらっている調査員の方ではないそうです。

民生委員会として無償で地域のために働かれている方なのだそう。

国勢調査の仕事以外にも、赤ちゃんを出産した家庭やお年寄りの一人暮らし、生活保護を受けている家庭への訪問など、地域のための仕事をボランティアでおこなっているそうです。

さまざまな詐欺や犯罪があるなかで、私たちが警戒心を持って生活することはとても重要なことです。
しかし、むやみやたらな警戒心は、善良な人へきつい言葉を投げかけたり酷い態度を取ったりすることにつながってしまうことも。

詐欺や犯罪の見極めは決して簡単なことではないとわかっていますが、人への敬意も忘れずに過ごしたいと感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。

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