筆者の話です。子どもの口から飛び出したのは、まるで自分の声を録音して再生したような口癖。笑いながらも、心の奥ではズシンと重たい反省が響きました。

“急かす”を“寄り添う”に

そこから、私は朝の言葉を意識的に変えてみようと努めました。

「あと10秒!」ではなく、
「(時計の針が)10になったら、一緒に行こうか」
「ママも手伝っていいかな」
「一緒にやろっか」

時間に追われることは変わらなくても、できるだけ穏やかに声をかけるようにしたのです。
最初はかける言葉もぎこちなく、正直心の中では「急いで!」と叫びたくなることもありました。
けれど、「一緒にやろう」と声をかけるたび、娘の表情が少しずつやわらいでいくのを感じました。

優しい言葉が連鎖した、小さな朝の奇跡

気づけば、朝の支度が以前よりスムーズになっていました。
ある日、娘が弟に「あと少しで出るよ~」と優しく声をかけているのを見たとき、思わず笑みがこぼれました。

まるで、私の言葉の変化がそのまま子どもたちに映し出されているようでした。
もちろん完璧には程遠いですが、少しの言葉の違いが、少なくとも我が家の空気をこんなにも変えるのだと実感しました。

子どもは親の「言葉の鏡」

子どもの口調は、親の「言葉の鏡」だと、私は痛感しました。
反省と同時に、言葉の力の大きさを改めて感じています。
これからも、できる限り優しい言葉を選びながら、朝を迎えていきたいと思います。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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