将来に関する「もしも」の話は、なんとなく縁起が悪いと感じて、つい先送りにしてしまいがちですよね。しかし、ある日突然やってくる「もしも」は、心の準備を待ってはくれません。今回は筆者の知人が実際に経験した体験談をご紹介します。

思いがけない衝突

「その分け方だと私が損してる! 納得できない!」普段はおとなしい娘が声を荒げたとき、私は耳を疑いました。

息子も、「でも俺は長男だろ。ちょっとくらい多めにもらっても……!」と反論。

これまで一度も聞いたことのない、感情的な言葉の応酬が続きます。

互いの価値観の違いと感情のもつれが、想像もしなかった形で表面化し、平和だった家族の風景が、あっという間に壊れていくような感覚に襲われました。

話す勇気の大切さ

私は必死に冷静さを保ち、間に入って説得を試みたり、具体的な計算を示して折り合いをつけたりしましたが、心の中では大きなショックを受けていました。

夫の会社の顧問弁護士にも相談し、なんとか相続は済んだものの、後味は悪いまま……。
それ以来、娘と息子は気まずい雰囲気が続いています。

お金や財産の話は、なんとなく冷たく感じてしまいがちですが、家族の絆を守るためにも、早めに話し合い、共有する勇気を持つことの大切さを痛感しています。
未来のための準備を怠らないことこそ、何よりも重要だと心から思いました。

【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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