これは筆者自身の体験です。息子が2歳の時、引っ越してきた新しい家での生活が始まりました。慣れない育児に追われる中、ご近所の方々が親切に声をかけてくれ、お隣のMさんが手料理を差し入れてくれることにも感謝していました。しかし、息子の味覚に合わず、少し戸惑うこともあったのです。そんな中で、相手の心遣いを素直に受け入れる大切さに気づかされました。

正直な息子の一言

そんなある日、Mさんが息子に「唐揚げ美味しかった?」と聞いたとき、息子がにっこり笑ってこう答えてしまったのです。
「からくてヤダって言った〜!」

私は完全に絶句し、Mさんも一瞬固まってしまいました。場の空気が凍りついてしまい、私は慌てて「こ、子どもって正直で……すみません……」と謝ることしかできませんでした。

その夜、思い切ってMさんに連絡しました。
「いつも本当にありがとうございます。でも、うちの子はまだ味覚が敏感で、薄味しか食べられなくて……せっかくのお料理を無理させるのも申し訳ないので……」

するとすぐにMさんから返信がありました。
「そんなこと気にしないで! うちは濃い味じゃないと主人が文句言うから、これからは“大人用”としてお届けするわね」

気遣いを受け入れる勇気

それ以来、Mさんの差し入れは「おつまみにどうぞ」や「ご主人に」といった名目に。息子には無理のない範囲で食べられるものを差し入れてくださいました。結果的に、お互いにとって気持ちよく受け入れられる形が整いました。

この出来事を通して、私は「気遣い」の受け入れ方を再認識しました。最初はどう伝えようかと躊躇しましたが、今ではMさんの差し入れが楽しみで、感謝の気持ちを込めて受け入れています。この経験が、相手との信頼関係を深めるための貴重な教訓となりました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.