今回は、B子さんのエピソードをご紹介します。
介護に家事全般——気づけば誰かのために生きる毎日。
「このままずっと、誰かのために生きる人生を送るの?」
義祖母の死後、限界の糸が切れたB子さんは、書き置きを残して家出を決行し――?

やっぱり、家に帰ることに

3日後、私は家に戻りました。
怒られるのを覚悟していましたが、家族は「おかえり」と喜んで出迎えてくれました。

その晩、夫に晩酌に誘われました。
「本当は、B子に全部押しつけてきたって、気づいてた。なのに、見て見ぬふりをしていた。ごめん。後悔している」
すまなそうに頭を下げる夫を見て、胸がじんとしました。

「これから先、もし親の介護が必要になっても、今までみたいにはしない。施設やサービスにも頼るし、両親の貯金もあるから、金銭的な心配もいらないよ」

夫の言葉は意外でした。
謝罪の念はあっても、てっきり、悪かったという言葉や、その場しのぎのプレゼントで終わらせられると思っていました。

今回のことで、夫なりに、これまでのことと、これからのことをきちんと考えてくれたのでしょう。
そのことが、私には嬉しかったのです。

「私」の人生

来月、夫とまた、あの温泉地を訪れることになりました。
今度は家出じゃなく、夫婦ふたりの小旅行です。

これから、「嫁」でも「母」でもない、「私」の人生を、少しずつ探っていけたらいいな。
そのために、なにか趣味でも見つけてみようと思っています。

【体験者:40代女性・専業主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。

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