子どもの頃、専業主婦の母しか知らなかった筆者は、仕事と育児を両立する母の友人を見て、憧れていました。大人になった今、母やその友人の姿を振り返り「働くこと」「家にいること」それぞれの価値に気づいたのです。
画像: 子どもの頃、専業主婦の母に「お仕事したら」でも先生から「あなたは幸せね」その『本当の意味』は

子どもの素朴な疑問

「お母さんもお仕事したらいいのに」━━これは、私が小学生の頃、専業主婦だった母に対して言った言葉です。

小学校の先生として働く母の友人のことがとても輝いて見えていたのです。
お子さんがいてもおしゃれで、旅行に行ったり、趣味を楽しんだりする姿に「働くママってかっこいいな」と憧れを抱いたのを覚えています。

先生の言葉

ところが、母の友人は私の言葉に優しく微笑みながら、こんな風に言いました。
「仕事は楽しいけれど、自分の子どもと一緒に過ごせる時間は少なくなるの。あなたはいつもお母さんと一緒にいられて幸せね」

その時の私は「一緒にいられる時間が幸せ?」
「でもお金持ちになれる方がいいんじゃない?」と正直ピンときませんでした。
子どもの頭では、時間と豊かさを天秤にかけることなどできなかったのです。

大人になって気づいたこと

月日が流れ、私自身が大人になって家庭を持つようになりました。
仕事をしながら家事をこなす大変さも、専業主婦として家を守る重みも両方経験し、理解できるようになった今、ふと、あの先生の言葉がよみがえったのです。

母はいつも私のそばにいて、一日の出来事を話したり、一緒にお菓子を作って食べたり、何気ない時間を共に過ごしてくれました。その積み重ねが、今の私の土台をつくっているのだと気づいた瞬間でした。

どちらの選択も尊いもの

働く母の姿を子どもに見せることも、専業主婦として家庭を守ることも、それぞれに良さがあり、尊い選択です。形は違っても、家庭を支え、子どもを育てるという姿に違いはなく、どちらも立派な生き方だと思います。
仕事を続けながら子育てする母の友人も、家庭に専念した母も、私にとってはどちらもお手本であり、心から尊敬すべき存在です。

【体験者:50代・筆者 回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。

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