言葉の意味をよくよく考えてから発したり、話すことすべてに責任感を持ったりするのは難しいかもしれません。ただ、あまりに適当な言葉ばかりを発し、適当な会話をしていると、信頼を失うことにつながるかもしれません……。今回は筆者が子どものころに起きた父親とのエピソードを紹介します。
画像: 嘘つきな父親「この曲を作ったのは俺なんだ!」子どもの頃、信じて広めてしまった結果 →『悲しい結末』に

悪気なく嘘をつく父親

私の父は息を吐くように嘘をつきます。
自分の言ったことに責任感など持ち合わせておらず『常にテキトー』をモットーに生きているような人なんです。

これからお話するのは、私がまだ小学生だった頃のことです。

父は私に日々、意味のない生産性のない嘘をつき続けました。

「父さんの腕には痣があるだろう? これは父さんが紛れもなく偉い人だって証明なんだ」
「お前がいま歌っているその童謡、実は父さんが作ったんだ」

信頼

いま思えば誰でもわかるような幼稚な嘘です。
しかし、小学生だった私に真偽を確かめる能力はありませんでした。

父はすごい人なんだと誇りに思い、その嘘を信じて友達に広めてしまったのです……。

すぐに私は同級生の間で『嘘つき』呼ばわりされるようになりました。
嘘つきと呼ばれたり、からかわれたり、この出来事は小学生だった私にとってすっかりトラウマとなりました。

友達にからかわれ、父に「お父さんの言ったことを信じたら、みんなに噓つきって呼ばれちゃったじゃないの!」と抗議したのですが、当の父は自分が嘘をついたことすら覚えていません。

これは私が父を信頼できなくなるのに十分な事案でした。

変わらない父親

父にとっては当時の出来事自体、たいした問題ではなかったのでしょう。

私が大人になったいまでも、行く気もないのに「今日の晩御飯は寿司を食べに行こう」と言ったり、何の根拠もなく「明日は雨らしい」と誤情報を流したり、誰も得をしないしょうもない嘘をつき続けます。

いまでは父の言葉には信ぴょう性や重みがなくなり、父の言葉すべてが信じられなくなりました。
「どうせ嘘だ」と思うとだんだん会話すること自体億劫になり、ほとんど父と話すことはなくなりました。

【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。

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