筆者の体験談です。
母の実家は徒歩2分ほどの近所で、祖父母と母の妹(叔母A)が暮らしていました。
他の兄妹とは年が離れて生まれた叔母を、祖父母はとても大切にしていて──。
画像: 28歳の娘は「まだ子ども」? お祝いを渡す機会を奪われた叔母。価値観のズレを埋めた『母の機転』

新築祝いでの違和感

私が22歳の頃、老朽化した実家を建て替えました。
完成した家には親せきや近所の方が次々と新築祝いを持ってきてくださり、にぎやかな雰囲気に包まれていました。
ところが、祖父母がお祝いを持参してくれたときのこと。祖父母からは包んでもらえましたが、そこに叔母の名前はありません。
渡される際、「Aはまだこどもだから、私たちだけね」と言っていました。

驚きと戸惑い

祖父母にとって叔母はいつまでもかわいい存在だったのかもしれません。
しかし当時、叔母は28歳。
私は「えっ、28歳でまだ子ども扱い!?」と驚き、思わず戸惑ってしまいました。

しかも、その言葉を母の友人の前でも普通に口にするので、母も苦笑いするしかありません。
私はますます「それっておかしくない?」と感じました。
お金が欲しかったわけではありません。
社会人として自立している娘をいつまでも子ども扱いする祖父母に違和感を覚えたのです。

母のとった対応

後日、母は祖父母の気持ちを汲みつつも、このままではいけないと考えたようでした。
Aより年下の甥や姪もそれぞれお祝いを持参してくれる中で、Aだけが「子ども扱い」のままでは体裁が悪いと感じたのでしょう。

そこで母は「Aに何か作ってもらえない?」と頼み、叔母に手作り品をリクエストしました。
「私も気になっていたから作るね」と、叔母なりに心を込めて作ってくれた品が母の手に渡り、私も少しほっとした気持ちになりました。

価値観のズレから学んだこと

祖父母からすれば末っ子の叔母はいつまでもこども。
でも、社会人として見れば、その扱いには感覚のズレを感じざるを得ませんでした。

お祝いは催促するものではありませんが、体面もあるので難しいことも。
母が取った「手作り品をお願いする」という工夫には、完全に納得とはいかないものの、「なるほど」と思いました。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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