家事や育児を任せて家を空けると、どうしても「大丈夫かな」と不安になってしまいますよね。子どもが小さかったり、何日も留守にせざるを得ない場合はなおさらです。今回は筆者の友人から聞いた体験談をご紹介します。
画像: 「私が入院中、何してたの!」荒れた部屋を見て、夫に激怒 → 息子「パパはね」【まさかの真実】が発覚

入院を終えて帰宅すると……

1年ほど前、私は持病の手術のため2週間の入院をすることになりました。
その間、小学1年生の息子は夫が仕事を早退して面倒を見てくれることに。

2週間後、無事に退院の日を迎え、「ようやく我が家へ帰れる」とホッとしたのも束の間。
家に足を踏み入れた瞬間、目に飛びこんできたのは荒れ果てた室内の様子でした。

リビングには脱ぎっぱなしの服。
テーブルにはコンビニ弁当の容器。
シンクには山積みの食器まで。

「信じられない! 私がいない間、一体何をしていたの?」
溜まっていた不満と入院のストレスが爆発し、つい大声で夫を罵ってしまいました。

夫はただ俯くばかり。
その態度が、私の怒りを一層かきたてました。

息子のフォロー

ところがその時、息子が私の服の裾をくいっと引いて、こう言ったのです。

「ママ、怒らないで」

さらに息子は続けました。

「あのね、僕、ママがいなくても1回も泣かなかったんだよ! すごいでしょ!」
「パパがね、僕が寂しくないように、毎日ずーっと一緒に遊んでくれたの。夜も、僕が眠るまで手を繋いでてくれた。だからパパはお片付けする時間がなかったんだよ」

息子の屈託のない笑顔は、夫がこの2週間、息子の心を最優先してくれていたという証拠でした。

夫が守ってくれていたもの

私は物理的な家の汚れしか見ていませんでしたが、夫は息子の心を曇らせないという、もっと大切で難しい役目をしっかり果たしてくれていたのです。

私が何も言えずにいると、夫は「本当にごめん」と言って掃除道具を手に取りました。
私はそれを慌てて止め、「待って。掃除は後でいいよ。それより、ありがとうね。あなたが守ってくれたのは、家じゃなくて、この子の心だったんだね」と伝えました。

本当に大切なこと

驚いた顔でこちらを見る夫と、無邪気に笑う息子。
入院で張り詰めていた気持ちが、ようやく解けていくのを感じました。

その後、留守中のことを話しながら3人で仲良く掃除をすることに。
たとえ散らかっていても、家族が笑顔でいられるこの場所が、世界一大切な我が家なのだと、心から思いました。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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