人生にはたくさんの分かれ道があります。悩みながらも選んだ道を歩んでいくものの、ふとした瞬間に「もしもあの時、別の道を選んでいたら」と思うこともありますよね。今回は、筆者の知人のエピソードをご紹介します。
画像: 「次はあなたね」いいえ。【親になることを選ばなかった私】葛藤を経て、50代で気づいた『別の幸せ』

悪意のないプレッシャー

30代半ばを過ぎた頃、私の周りの友人たちは次々と結婚し、母親になっていきました。
お祝いを渡すたびに、決まってかけられるのは「次はあなたね」という言葉。
私は20代後半で結婚していましたが、子どもは授かっていなかったからです。

悪気のない笑顔に頷きながらも、その言葉は小さなトゲのように、ずっと心の隅に刺さっていました。

不妊治療も考えたこともありましたが、子どもを育てる覚悟が持てず、最終的には自然に任せることにしました。

夫もその選択を尊重してくれ、結局私たちは「子どものいない夫婦」として歩むことになったのです。

複雑な胸の内

それでも、賑やかな家庭を築く友人たちを横目に、「私の選択は正しかったのかな……」と、自問自答を繰り返したものです。

休日にゆっくりカフェの時間を楽しんだり、思い立って海外旅行へ出かけたり。
そんな自由を謳歌しながらも、SNSで流れてくる赤ちゃんの写真を見ると胸がざわつきます。
街で幸せそうに子どもを抱く友人を見かけた時も、同じ気持ちになりました。

手に入れた自由と、手放した温もり。
その両方を天秤にかけ、心はいつも揺れていたのです。

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