筆者の話です。物心ついた頃から「姉ちゃん」と呼ばれ続けてきた私。
親や弟にとっては自然な呼び方でも、名前で呼ばれない事にずっと小さなモヤモヤを抱えていました。ある日、母に「私の名前、覚えてる?」と尋ねたとき──胸の奥にしまってきた思いが、静かにあふれ出しました。
画像: 「姉ちゃん、お願い」はもうやめて。役割で呼ばれ続けた──「私の名前、覚えてる?」母から返ってきた言葉は

「姉ちゃん」と呼ばれてきた私の幼少期

小さい頃から、私は家族に「姉ちゃん」と呼ばれていました。
弟とは2歳違い。
物心ついたときから、私の記憶の中には弟がいて、私は常に『お姉ちゃん』でした。
おもちゃを取り合って泣いても「姉ちゃんだから譲りなさい」と言われるのが当たり前。

弟が呼ぶなら自然な事かもしれませんが、親までもが私をそう呼ぶのです。
最初は気にしていなかったものの、大きくなるにつれて「役割」として扱われているように感じる事が増えていきました。

便利に使われる呼び方に、名前がかき消されていく

「姉ちゃんだから、我慢して」
「姉ちゃんなんだから、これお願い」
お姉ちゃんという言葉は、とても便利に使われました。
弟の世話や家事の手伝いなど、何かにつけて理由づけにされる。
そう言われるたびに『姉』という肩書きが私の名前を上書きしていくようでした。

気づけば、親からはひとりの子どもとしてではなく『役割』として見られている感覚がありました。弟と比べて「強くあれ」「譲りなさい」と言われる事も多く、胸の奥にモヤモヤが積もっていったのです。

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