筆者の話です。昼寝をしたり、しなかったりする3歳後半の娘。しなかった日の夕方になると毎回繰り返される“イヤイヤの嵐”。
正直「まただ……」と思いながらも、ある日ふと諦めて娘の気持ちをただ聞き続けてみたら、いつの間にか号泣が収まり、夜が驚くほどスムーズに。
親子の“がんばりすぎない向き合い方”を見つけた日のエピソード。
画像: イヤイヤ期を「どうにかしなきゃ」から「もういいや」へ。親が『頑張るのをやめた』結果

眠いのに眠れない……3歳後半の“お昼寝境界期”

昼寝をすれば夜は元気いっぱいでなかなか寝ない。かといって昼寝をしない日は、夕方からぐずぐずモードが止まらず、家に帰ってからが地獄の時間帯に。

その日も例外ではありませんでした。
保育園から帰宅した娘は、「お風呂いや!」「ご飯もいや!」と、何を提案してもすべて拒否。
疲れているのはわかっている。でも、私も一日の終わりで心の余裕がなく、「まただ……」とつい同じような対応を繰り返してしまう日々が続きます。

“いや!”の嵐に、ただ寄り添ってみた

そんなある日、金曜日だったこともあり、“もういいや”と、ふと力を抜いてみました。
お風呂にも、ご飯にも誘わず、ただ「そうか、いやだよね」「うんうん、いやだよね」とだけ繰り返す。
何を言っても泣き続ける娘に、ただただ耳を傾け相槌を打つだけ。

すると、不思議なことに、だんだんと泣き声が小さくなり、拒否の言葉も出なくなってきました。
もしかしたら、“いやだ”と主張する必要がなくなったのかもしれません。
完全に落ち着いた頃を見計らって、「今日の給食、何だったの?」と全く違う話題を振ると、娘はケロッとした顔で話し始めました。

その後は驚くほどスムーズにご飯もお風呂も進み、あの大嵐は何だったんだろう……と思うほどでした。

親も子も、頑張らなくていい時間があっていい

「泣き止ませなきゃ」「次の行動に移らなきゃ」と頑張りすぎなくてもいいんだ、とその日にやっと気がつきました。
毎回同じやり方でスムーズにいくわけじゃない。でも、ただ受け止めて、気持ちが落ち着くのを待つだけでいい時もある。
子どもは思った以上に、自分で気持ちを整える力を持っているのかもしれません。

毎日の育児は体力も気力も削られるけれど、“どうにかしなきゃ”と力むより、“ただそばにいる”選択肢があってもいい。
そう思えたことで、私の心も少し軽くなったのでした。

このエピソードをこうして文字にして読み返してみると、あの日の「いや!」の嵐も、ただ私に甘えたくて、安心したくて泣いていたのかもしれないと感じます。
そして、その気持ちに寄り添えた自分を、少しだけ褒めてあげてもいいのかなと思っています。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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