親子、特に母親と娘の関係は、近すぎるがゆえに複雑なものです。良かれと思って口にした言葉が、いつの間にかすれ違いを生んでしまうことも少なくありません。今回は、筆者の友人が母親とのエピソードを聞かせてくれました。
画像: 「また彼氏?」恋愛に口うるさい母。「嫉妬してこないでよ」→ 母の『告白』を聞き、自分を恥じたワケ

私の恋は、いつも母の不機嫌の原因だった

母は、昔から私の恋愛にとても厳しい人でした。

「そんな派手な格好して」「また彼氏?」が母の口癖。
大学時代に彼との旅行を報告すれば「浮かれすぎよ」と釘を刺され、社会人になってからも、恋人の話をすると露骨に顔をしかめます。

もしかして、母が経験できなかった青春を謳歌する娘に、嫉妬しているのだろうか……。
そう思うことでしか、母の頑なな態度を理解することができませんでした。

母の知られざる過去

そんな母への不満が募っていたある日、親戚の集まりで叔母が何気なく口にした言葉に、私は耳を疑いました。

「お母さんも昔は大変だったのよ。うんと若い頃に、一度離婚してるから」

母が、離婚……?

初耳でした。まさか、父と結婚する前に別の男性と結婚していただなんて。
しかし家に帰り、恐る恐る母に尋ねると、母は静かに、そして小さく頷いたのです。

母がこんなにも弱さを見せたのは、初めてのことでした。

母が心にしまっていた過去

母はぽつりぽつりと語り始めました。

若い頃、勢いだけで結婚した相手は働かず、浮気もするような人だったこと。
誰にも頼れず、たったひとりで借金を返済し、心身ともにすり減る思いで離婚したこと。
「恥ずかしくて、誰にも言えなかった」と。

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