贈るたびに嫌味を言われ、何を贈っても喜ばない姑。どうすればいいのかと悩んでいた筆者を救ったのは、無邪気な娘の言葉でした。

悲しい発見と、娘の一言

しばらくして、あのプリザーブドフラワーが姑の部屋から消えていることに気づきました。
そしてある日、倉庫の片隅でホコリをかぶった状態で見つけてしまったのです。
ショックでした。
「いくら気に入らなくてもこんな扱いをするなんて」と、内心怒りが湧いてきて、姑に文句を言ってやりたくなりました。

その数日後、思いがけない出来事が起こりました。
当時5歳だった娘がそのプリザーブドフラワーを見つけて持ってきたのです。
「おばあちゃん、このきれいなお花ホコリだらけだよ。倉庫じゃなくてお部屋に飾ろうよ」

その無邪気な一言に、義母は気まずそうな表情で私を見ました。
何とも言えない沈黙のあと、私はふっと力が抜け、怒る気持ちが少しだけ和らぎました。

受け取ることも、思いやり

その後、娘の言葉が姑の心に届いたようで、プリザーブドフラワーは再び部屋に飾られていました。それを見て、少しだけ報われたような気持ちになりました。

そして私自身も今、姑という立場になりました。
あらためて思うのは、「受け取ること」も、立派な思いやりだということです。
たとえ好みに合わなくても、誰かが自分のために選んでくれた気持ちは、ちゃんと受け止めたい。
あの頃の姑の姿を反面教師に、私は「ありがとう」と素直に言える姑でありたいと思っています。

【体験者:50代・女性・筆者 回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。

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